体外診断用医薬品
※オミクロン株の検出性能を確認済み。厚生労働省へ報告済み。
使用目的
鼻咽頭ぬぐい液もしくは鼻腔ぬぐい液中の、SARS-CoV-2 抗原の検出 (SARS-CoV-2 感染の診断補助)
測定原理
本品の測定原理は SARS-CoV-2 抗原を認識するモノクローナル抗体を用いた免疫クロマトグラフ法です。
本品のテストスティックは、試料滴下部、着色ナノ粒子標識抗 SARS- CoV-2 モノクローナル抗体(ウサギ)(以下、着色ナノ粒子標識抗体) を含むコンジュゲートパッド、抗 SARS-CoV-2 モノクローナル抗体 (マウス)(以下、補足抗体)及び抗ウサギ免疫グロブリンポリクローナル抗体(ヤギ)を固定したメンブレンから構成されます。
テストスティック全体図
テストスティックの試料滴下部に試料を滴下すると、試料は毛管現象によりコンジュゲートパッドへ移動します。コンジュゲートパッドに固定化されていた着色ナノ粒子標識抗体が試料により溶解し、試料中の SARS-CoV-2 抗原と免疫複合体を形成します。この免疫複合体は毛管現象によりさらに移動し、メンブレン上に固定化された補足抗体に捕捉され、判定部 [ T1 ] に着色ナノ粒子による赤色のライン(テストライン)を形成します。本キットはこの赤色のラインを目視で確認し、試料中の SARS-CoV-2 抗原の存在の有無を判定します。
また、試料中の SARS-CoV-2 抗原の有無に関わらず、余剰の着色ナノ粒子標識抗体はメンブレンをさらに移動し、メンブレン上に固定された抗ウサギ免疫グロブリンポリクローナル抗体に捕捉され、判定部 [ C ] に着色ナノ粒子による赤色のライン(コントロールライン)を形成します。これは、テストスティック上で正常な反応が行われたことを示します。
測定原理図
試料の移動方向
性能
1. 性能
陽性コントロール( 0.5 ng / テスト)及び陰性コントロール(検体処理液)を用いて感度、正確性、同時再現性の各試験を行った場合、以
下の規格に適合します。
A) 感度
陽性コントロールを試料として試験する時、陽性が確認されます。
B) 正確性
陽性コントロール及び陰性コントロールを試料として試験する時、陽性コントロールは陽性、陰性コントロールは陰性が確認されます。
C) 同時再現性
陽性コントロール、陰性コントロールを試料として各3回測定する時、陽性コントロールは全て陽性、陰性コントロールは全て陰性が確認
されます。
2. 最小検出感度
本品の最小検出感度は、0.1 ng / テストである。
3. 交差反応性試験成績
1) SARS-CoV-2 以外のウイルス
Influenza Type A virus protein, Flu A protein (NP Antigen)
Influenza Type B protein (TOKIO)
2) 他のコロナウイルス
coronavirus (HCoV-229E) Nucleoprotein
coronavirus (HCoV-OC43) Nucleoprotein
coronavirus (HCoV-HKU1) Nucleoprotein
上記 1), 2) すべてに交差反応性は認められませんでした。
4. 較正用基準物質に関する情報
社内標準品
5. 臨床性能試験成績
5.1. 鼻咽頭ぬぐい液
(1) 本キットと RT-PCR検査(参考文献:3)との相関性
a) 全検体(凍結保管サンプル及び臨床施設におけるオンサイト検査)
陽性一致率:74%
陰性一致率:98%
全体一致率:84%
㊟本キットが陽性、RT-PCR 法が陰性となる事例が1件あった。この患者は、検体採取の翌日にRT-PCR 法で陽性となった。
b) 凍結保管サンプル
陽性一致率:67%
陰性一致率:100%
全体一致率:75%
c) 臨床施設におけるオンサイト検査(臨床患者)
陽性一致率:76%
陰性一致率:98%
全体一致率:87%
(2) RT-PCR 法で陽性となった検体と、本キットの陽性一致率
a) 全検体(凍結保管サンプル及び臨床施設におけるオンサイト検査)
b) 凍結保管サンプル
c) 臨床施設におけるオンサイト検査(臨床患者)
㊟換算 RNA コピー数は、RT-PCR において、検体から抽出された RNA の増幅効率と、RNA スタンダードの増幅効率が同じだと仮定した時に、Ct 値(Cycle Threshold)から換算した値です。
㊟ウイルス量を示す「copy/テスト」は、RT-PCR 法1テストあたりのコピー数を示します。
㊟N2 set の RT-PCR 法によるウイルスコピー数 1,000 copy /テスト 以上の検体に対する陽性一致率は全検体で90%、凍結サンプルで100%、臨床施設(臨床患者)で88%であった。
5.2. 鼻腔ぬぐい液
(1) 本キットと RT-PCR 検査との相関性
a) 全検体(凍結保管サンプル及び臨床施設におけるオンサイト検査)
陽性一致率:59%
陰性一致率:100%
全体一致率:77%
b) 凍結保管サンプル
陽性一致率:69%
陰性一致率:100%
全体一致率:80%
c) 臨床施設におけるオンサイト検査(臨床患者)
陽性一致率:56%
陰性一致率:100%
全体一致率:76%
(2) RT-PCR 法で陽性となった検体と、本キットの陽性一致率
a) 全検体(凍結保管サンプル及び臨床施設におけるオンサイト検査)
b) 凍結保管サンプル
c) 臨床施設におけるオンサイト検査(臨床患者)
㊟換算 RNA コピー数は、RT-PCR において、検体から抽出された RNA の増幅効率と、RNA スタンダードの増幅効率が同じだと仮定した時に、Ct 値(Cycle Threshold)から換算した値です。
㊟ウイルス量を示す「copy/テスト」は、RT-PCR 法1テストあたりのコピー数を示します。
㊟N2 set のRT-PCR 法 によるウイルスコピー数 1,000 copy /テスト 以上の検体に対する陽性一致率は全検体で82%、凍結サンプルで100%、臨床施設(臨床患者)で78%であった。
貯蔵方法、有効期限
1. 貯蔵方法 : 1〜30℃
2. 有効期間: 製造日より24ヶ月
包装単位
IQVALF101 クオンパス COVID-19 抗原検査キット 10 テスト
IQVALF011 クオンパス COVID-19 抗原検査キット 1 テスト
参考文献
-
WHO ホームページ:“Naming the coronavirus disease (COVID-19) and the virus that causes it” (https://www.who.int/emergencies/diseases/novelcoronavirus- 2019/technical-guidance/naming-thecoronavirus- disease-(covid-2019)-and-the-virus-thatcausesit#:~: text=Official%20names%20have%20been%20announ ced,%2DCoV%2D2)
-
COVID-19 に関するWHO・中国合同ミッション報告書、WHO 神戸センター公表和訳 (https://extranet.who.int/kobe_centre/sites/default/files/ pdf/WHO 中国合同ミッション報告書_20200309.pdf)
-
病原体検出マニュアル 2019-nCoV- Ver.2.9.1、国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019- nCoV20200319.pdf)
-
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査法の運用についてのガイ ドライン第3 版、国立感染症研究所 (https://www.niid.go.jp/niid/images/labmanual/ reference/COVID-19-PCR-test-practical_R3.pdf)
-
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針、第1版、2020 年10 月2 日発、厚生労働省 (https://www.mhlw.go.jp/content/000678571.pdf
測定例
鼻腔スワブを用いた使用例
※最新の製品はスワブが2本(鼻咽頭用、鼻腔用1本ずつ)から1本(鼻咽頭・鼻腔兼用)に変更となっております。